SM雑記 銀の月　～主従関係のススメ～

私は自由と平等の「ヨコの世界」ではなく
支配と服従の「タテの世界」でしか感じることの
出来ない性感や愛情というものが存在すると考えています。

そしてその、「タテの世界」でしか感じることのできない
性感や愛情を絶対的に必要としている人種です。

そしてそれは、私だけに限ったことだけでなく
SM、特に主従関係を好むこの「ジャンル」の人たちの
共通の感覚なのではないかと思っています。

でも、この自由と平等の「ヨコの世界」があたりまえと
なっている現代社会で純粋な「タテの世界」を構築し
維持していくことは並大抵の努力ではありません。

世間の大半の方から、奇異の眼差しで見られ
蔑まれるということもあります。
しかい何より難しいことは、かなり意識をしておかないと
自分たち自身も「ヨコの世界」の影響を受けて
気がついたら関係が「タテ」でなくなってしまう
ことがたくさんあることなのです。


私がお会いしたことのある、S男性の方は
ご自分のこの「ジャンル」の性質を自覚されたときに
「自分のプライベートのすべてをSMに捧げることを決め、
いわゆる通常の結婚や恋愛を全部諦める覚悟をした」
と話されていました。

それくらいの覚悟がないと、維持できない世界です。

かつて中世と言われる時代には、全世界的に
社会の中で「タテの関係」が普通に存在する時代がありました。

日本なら、戦国時代の武士や平安時代の貴族たちと
いった特権階級の家族たち、世界的いえば植民地時代の
奴隷制度などもそうでしょう。

ではその時代、その関係性にいた人たち、特には支配され
従属することを強いられた人たちはみな不幸せだたのでしょうか？
もちろん、不幸せだった人もたくさんいたでしょう。
しかし、従属する人のなかに、仕えること、奉仕すること、
支配されることに悦びと幸せを感じた人たちもいたのです。
また逆に支配し、服従させることに悦びを感じる人もいます。

そういう性質をもった人が、現代に生まれたときに
取りえる選択肢、それがSMであり主従関係であると思うのです。

つづく



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